『原発ゼロ社会への道』を読んだ――人間の復興
『原発ゼロ社会への道ーー市民がつくる脱原子力政策大綱』(原子力市民委員会)が刊行された。紙媒体の本は1,000円で買えるが、同委員会のページに行くと全文をPDFファイルとしてダウンロードできる。
同書の5ページには「脱原子力政策大綱の全体に関するキーワード」があり、キーワードのひとつに「人間の復興」がある。その解説を以下に引用する。
災害復興といえば、「財物の復興」、「産業誘致による復興」など、巨額の費用を
投じた復旧・建設工事・設備投資などをイメージしやすいが、より大切なことは、被害者一人一人が尊ばれ、 良き生活への希望を取り戻し、 それを創り出すこと
であり、それを「人間の復興」と位置づけた。(☞ 第1章)
前に引用したと思うが、これは長崎で被ばくした医師、秋月辰一郎さんがその本、『「原爆」と三十年』(朝日新聞社、1975年、6ページ)でこう書いていることと符合する。
私たちは錯覚する。長崎市は原爆の灰から復興した。浦上も無残な原子野から不死鳥のごとく復活したと。しかし、よく見ると復興でも復活でもない。あのとき以来、人間の生命は圧殺され、亡びて、辛うじて生き残った者は、浦上の片隅に追いやられ、小さく苦痛に生き延びてきた……死んだ、あるいは病めるひとびとに替わって、日本の戦後復興という名で、新しい経済的欲望追求の都市に取って替わったのである。
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コメント
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投稿: Deirdre Matts | 2014年5月 1日 (木) 20時35分