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2014年1月11日 (土)

定年制は非人間的制度という指摘

 先日、いつだったか忘れたが、NHKのテレビを見ていたら、『銃・病原菌・鉄』の著者であるジャレド・ダイアモンドが「定年制は非人間的制度だ」と話していた。米国では20年ほど前に、定年制が非人間的ということで廃止された。彼は定年制によって多くの経験が埋もれてしまう損失を指摘していた。

 日本で定年制を廃止したらどうなるだろう。僕が勤務している教育機関、特に大学だと、多くの教員がだらだらといつまでも居残るだろうと予想される。それは講義や研究の質を評価するシステムが完備しておらず、当人の判断に任されると予想されるからだ。

 老いを自覚することはとても難しいことだと思う。そうした意味で僕は、日本におけるひとりの教員として定年制は、自分で老いを認める必要がなく、ありがたい制度だと思っている。しかし、選挙、という関門がある政治家には定年は必要はない。自分ではできると思っても有権者がそう判断しなければ、落選、という結果が突きつけられるのだから。どこまでも自己責任が貫徹する世界だ。

定年制がない世界というのは、そういう「厳しさ」が貫かれている世界でもある。かつて米国の国立公文書館の現代軍事史部門の名物アーキビストにジョン・テーラーさんがいた。彼も現職中に定年制が廃止となり体力的にフルタイムの勤務が無理となるまで働いておられた。しかし体力的限界を感じて引退した後もボランティアで、自分の体力と相談しながら公文書館に来ておられた。そして多くの研究者の相談に現役当時と同じ博識と含蓄で接し、頼りにされていた。そして亡くなられたときには、研究者が彼を追悼する集まりを開いた。

こうした例を知っていると、ダイアモンドの「経験の損失」の指摘に納得する。

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コメント

こんにちは。
今、ジャレド・ダイヤモンドの文明崩壊を読んでいます。
上巻の半分は過ぎました。下巻を読んだ後、
『銃・病原菌・鉄』を読む予定です。
私の速度だとだいぶ先になるでしょう。
今、彼の著書を読むのは遅ればせではありますが、
気付いたことはラッキーではあります。

投稿: keicoco | 2014年1月13日 (月) 14時38分

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