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2013年5月 8日 (水)

正しい歴史認識――権力者の歴史観

 人間が行ったことを、あるいは人々がやったことを、さらには国が実行したことを正確に認識することはむずかしい。出来事を網羅的に、時系列で見ていくことは可能だ。それを並べても客観的事実を記述したことにはならない。したがって、起きたことを並べ立ててることは、何が起きたかを知るために必要な手段だが、それだけではすまない。そのことが起きた背景や、因果関係、あるいは行為の主体の意志その他をおさえて、それぞれがそれぞれの解釈を行う。誰も自分の解釈がより真実に近いと思っている。それでも、これが正しい認識だ、と思っている人も少しはいるかもしれない。  歴史の研究者の場合、自分の認識が「正しい」と思っている人はどの程度いるのだろう。多くは、自分の認識はもっとも信頼性があり、多くの人を納得させることができる、と考えているだろう。そんなことを考えていたら、以下の見出しを「ヤフー(「読売新聞」)に見つけた。 朴大統領「日本は正しい歴史認識を」会談で言及 (2013年5月8日13時02分 読売新聞) http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130508-OYT1T00705.htm?from=ylist 「正しい歴史認識」という言い方は、歴史を捏造し、利用することを何とも思わない権力者が好きな言い方なのだろう、と思っている。少なくとも、歴史に関心があり、歴史的事実に謙虚に向かいあおうと思っている人は、正しい歴史認識、などとは言わないだろう。

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