原発冷却停止――福島からの手紙
福島原発で昨日、18日から停電となり、冷却が止まっているというニュースが報じられた。19日の午後になって少し回復しているようだが、原因が分からないので、復旧までに時間がかかるだろう。今日の昼ころ、以下のメールが福島在住の方から来た。
電源からの電力供給が原因不明で止まったままになっているためだそうですが、現在のシステムは、電源ばかりでなく、冷却システムそのものが事故後に間に合わせに作ったものであり、同様のトラブルは今後増え続けると考えるのが妥当でしょう。
また4号機のプールは建屋の強度に問題があることから、燃料を取り出すための工事がまだ途中の段階にあることなどを見ても、事故後の危険な状況はそれほど変わらずつづいているわけで、むしろ、まもなくいっぱいになるといわれている汚染水の海洋放出の問題が浮上するなど問題は深刻化しつつあります。
ひきつづき関心を持ち続ける必要があるとともに、今後の原発政策を論ずる際には、このような継続して日常化しつつある非常事態との関連も図るべきだと思います。
福島に住む身からすると、とくに恐ろしいことなのですが、恐怖や異常事態が継続すると、ちょうど余震が起こっても「またか」と思ってすませるのと同じように、これが当たり前になって日常化してしまうという、戦時のような経験をしているところです。
今後はこうした「小さな」トラブルが続くということだろうか。「小さな」トラブルが続くということは、より大きなトラブルの芽と見るべきで、今回の「小さな」トラブルを契機に、今の福島第一原発の状況をしっかり見据え、再発・続発を阻止する体制が必要だ。
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