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2011年4月18日 (月)

東電工程表――絵に描いた餅にならないとよいが

昨日、17日、東京電力は福島原子力発電所の暴走を食い止める工程表を、政府に迫られて作成し、公表した。もっともらしい策が並んでいるが、確実にできることはテントやコンクリによる封鎖だけだ。冷却は言及されているがそれが可能なら、すでにそれは実施され、ここまで実態は悪化しなかったはずだ。その意味で、17日に発表になった工程表は辻褄合わせの感は否めない。その感を深くするのは、各種の方策を適宜採用するようなことが言われているが、それは「確たる策」がないことの告白だ。

どんな案でもよい、優等生の東電には難しいかもしれないが、他人から笑われるかもしれない案でもよい、全部並べて、公開の場で討議し、多くの知識を世界中から結集することだ。工程表などという辻褄合わせはやめて、実効性のある具体策の立案に集中してもらいたい。日本政府はどういうつもりなのだろう、これは一つのたたき台にもならない時間の浪費だ、やる気があるのか、疑わしい。

今回の事故で、電力会社や電機会社だけでなく、日本政府にも原子力発電所の事故をコントロールする力がないことがはっきりした。世界的にはともかく、日本では今後原子力発電所の増強という道はありえないだろう。

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2011年4月16日 (土)

原発被害隠ぺいに加担する日本のマスコミ

以下は今日、16日の「ヤフー」(「産経」)の見出しと、記事の一部だ。


事故直後 米、50キロ圏内退避進言 政府、検証できず否定

産経新聞 4月16日(土)7時57分配信
 だが、日本側は米側の分析結果を独自に検証する能力がなく、進言だけを根拠に避難指示の範囲変更を決めることができなかった。
……
 ルース大使は3月17日に在日米国人の第1原発から80キロ圏外への避難を勧告した。米国務省は14日も「依然状況は深刻で、不測の事態が起こりかねない」と発表するなど、80キロ圏内の避難勧告を維持している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110416-00000124-san-soci

何日か前、複数の日本の報道機関は、「80キロ圏外」には根拠がなかった、という報道を行った。しかし米国国務省は、「80キロ圏外」を堅持する、という。これは「80キロ圏外」がそれなりに根拠があって出てきた措置だということを意味している。

日本政府の発表は、事故の実態を過小評価していると国際的に批判されている。国内では日本のマスコミは、政府発表を垂れ流すだけだから、過小評価や情報操作が可能だが、国際的にはそれは通らない。ことは人の命にかかわる、政府も報道もまともな対応が必要だ。

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2011年4月14日 (木)

福島原発の安定化に時間はかけられない

急ぐ必要があることを示しているのは「読売」の次の見出しだ。

震源域東側でM8級、早ければ1か月内…専門家

(2011年4月14日03時15分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110414-OYT1T00112.htm

実際の処理は、取り敢えず石棺化して、じっくりやるべきであることを示している記事の見出しが以下だ。

福島原発の廃炉作業に最長100年…英科学誌
(2011年4月13日18時04分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110413-OYT1T00809.htm

すでに米軍はできるだけ福島から遠ざかろうとしている記事の一部とその見出しが以下だ。

在日米海軍司令部が佐世保に移転? 相次ぐ横須賀配備艦寄港
(長崎新聞、4月14日)
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20110414/04.shtml
米通信社ブルームバーグ電子版によると、米海軍作戦部長はGWの横須賀出港の理由を「原子力空母で微量でも放射性物質の残留が判明すれば、船上での放射能漏れの兆候と誤解され、検証や除去が必要になるため」と説明している。

うまい理屈を考えだしたものだ。これは先の50マイル(80km)圏から去れ、という指示とつながる、米国独自の安全確保策だ。

今一番の気がかりは、福島の原子力発電所だが、その物理的危機状況もさることながら、それ以上にそれに対応すべき菅内閣の、政治の液状化だ。これでは原子炉の安定化=鎮静化どころか、危機は増すばかりだ。菅は現状が自分の能力を超えていることを認めるべきだ。

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2011年4月13日 (水)

菅直人は限界だ

昨日、12日、余震が続く中、菅首相の記者会見が行われた。最初の彼の話は、特に一国の首相がわざわざ会見を開いて述べるようなことではない。過度の自粛はするななどは、余計なお節介もいいところだ。

首相に求められるのは、住宅をどうするかとか、適当に消費してくれといった目先のことではなく、これからの日本をどうしようか、というビジョンの提示だ。その意味で僕は4月10日、「もやい直し」の重要性を書いた。これは人と人とのつながりを再構築しようというものだ。

かつての日本には人と人とのつながりがあり、それが戦後復興の原動力だった。これまで小泉改革という社会の破壊活動以降、失われた人と人との絆、その引き換えに得た、過度の消費に支えられた、バブルの日本経済。その復興のために働きたい人がどれだけいるだろう。

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2011年4月12日 (火)

世界最悪の事故であることをやっと認めた

今日、12日になって、政府は福島の原子力発電所の事故が世界最悪の事故であることをやっと認めた。国際的にはすでに多くの国がそう考えていた。以下はそれを伝える、これまで原子力推進の立場だった「読売」の見出しだ。

福島原発事故、最悪の「レベル7」に引き上げ
(2011年4月12日12時20分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110412-OYT1T00367.htm?from=top

福島とチェルノブイリとの違いは、福島では今のじわじわと放射性物質が出続けていることで、これはより悪い・深刻な状況だ。レベル引き上げの決め手となった大量の放射性物質の環境への放出は3月15日ころがピークだったようだ。その時にこのレベルの極めて深刻な事故だと認識していれば、より素早い対応、日本の手には負えないので米国やフランスに援助を言われるまで待つのではなく、自発的に頼むということもできたのではないかと思う。

今必要なのは、チェルノブイリとは少し違うやり方での石棺化だと思う。チェルノブイリはプルトニウムの半減期、2万4千年の10倍、24万年後まで立ち入りができな方式だ。福島では、冷水やホウ素を送り続けて、反応を鎮静化させる仕組みを作ったうえで、セメントを流し込む。

そして10年をひとつの目途として、安定化したと判断できたら、プールの使用済み核燃料、原子炉内の核燃料を取り出し、安全な場所に移設する。そうした作業が可能となるのは早くて10年後くらいだろうが、それまで東京電力が存在するかどうかは不明だ。

東電が存在しているかどうかはたいした問題ではなく、上記のシナリオで問題なのは、人、マンパワーの問題だ。10年あるいは20年後、世間で原発が少なくなっている、あるいは新しい神奈川県知事が訴える、脱原発が進んだとき、そうした高放射能の下で作業ができる人がどれだけいるか、という問題がある。日本の大学の原子力学科は別の学科に変わり、日本で原子力の専門家がいなくなるという状況が出現する可能性が高い。

今回のレベル7の元凶は無能な彼ら専門家、特に大学の原子力専門家という見方もあるが、それは取り敢えず無視する。彼らは口ばかりで、今後の方針も示せず、無用の存在であることを天下にさらした。しかし何らかの知識の維持は必要で、それが大学の役割だ。

政府が事故レベル7の、世界最悪の事故と認めたことは、今後の国民への対応、事故への対応、国際社会への説明、いろいろな問題を先に進めるために重要なステップだ。国民はこの引き上げを、事故状況は全く改善されていない重要なシグナルと認識する必要がある。

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2011年4月11日 (月)

危機的状況が続いている原発jは余震に耐えられるのか

東日本大震災から1ヵ月の今日、11日、夕方になり強い余震を皮切りに余震が続いている。最初のM7.0の地震で、福島第一原子力発電所の注水が一時間弱ほど停止したという。現場で作業をされている方々の恐怖はいかばかりだろう。

放射性物質を垂れ流している状況は継続している。密閉が前提の容器に漏れがあり、その場所が特定されていない。対応策がとれるわけがない。

状況は危機的なままこう着している。現場で作業をする人々の疲労が蓄積し、いつか限界となることを恐れている。3月25日に、放射能を垂れ流さないためにセメント固化、石棺化をなぜ進めないのかと書いたが、今や他に道はないのではないだろうか。

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2011年4月10日 (日)

石原慎太郎さん是非実現を、そして日本で「もやい直し」を

今日、10日は各地の知事や議会の投票日だ。以下は選挙運動の最終日の様子を伝える見出しだ。

慎太郎、ラストデーで初街頭演説「自販機、パチンコやめちまえ」…都知事選最終日
スポーツ報知 4月10日(日)8時4分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110410-00000054-sph-soci

やめろと叫ぶだけではなく、知事に再選されたら是非都条例などで規制してもらいたい。煙草を自動販売機で買うためのカードなども廃止だ。酒の自動販売機などは、日本が民度の低い国であることの象徴だ。

今僕の手元にフラッシュ(光文社)の4月19日号がある。10ページからの記事に僕のコメントが掲載されており、それで送られてきたものだ。この雑誌は文字の記事とモノクロの写真の部分と、カラフルなグラビア部分との落差が激しいが、記事には良い視点のものが多い。

その一つが、23ページの「これが関東の1日あたりの消費電力量だ!」だ。それによれば、パチンコが415万kWh、自動販売機が400万kWhで、これら二つを合わせると標準家庭84万世帯分の電力を「浪費」しているという。人と触れ合わない遊び、人と会話しない買い物。

震災後の日本に求められるのは、産業の復興以前に、人と人とのつながり、絆をしっかりと結び直すことだろう。かつてチッソの有機水銀中毒に苦しんだ水俣市は「もやい直し」という政策で、市民の一体化を推進した。今の日本に必要なのはそれであり、当座はそれだけだ。

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2011年4月 6日 (水)

何が違法だ――本末転倒の農水省

銚子漁協が茨城の漁船の魚を受け取らなかったことに、農水省は違法だと言っている。その前に東電や経済産業省の放射能に汚染された水を海洋投棄した行為を責めるべきだろう。本末転倒だ。

魚を受け取って、それが放射性物質で汚染されていれば、市場全体が汚染される。それを避けるために、陸揚げ段階で、徹底的な放射能チェックが必要になる。そうした手段や方法を提供することが農水省の仕事だろう。

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2011年4月 5日 (火)

気象庁の拡散図

今日になって気象庁は福島原子力発電所からの放射能の拡散図の公開を始めた。ドイツの気象庁の図が一般向けで分かりやすいのに対して、IAEAなど専門家向けのためか、分かりにくさは否めない。どこを向いて仕事をしているのだろう。

これを分かりやすく伝えるのがマスコミの仕事かもしれない。あるいは気象の専門家が非専門家向けに解説を付けてくれるといいのだけれど、どうだろう。

日本の気象庁の拡散図とドイツのそれとを比較すると、日本における科学技術と一般国民の関係、気象庁のような官庁がどこを向いて仕事をしているのかが分かる。国民を見ながら、それを主たる対象として仕事をしてもらいたい。僕たちももっと科学に関心を持つべきだろう。

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2011年4月 4日 (月)

原発危機は長期戦だ――楽観的過ぎる

以下は「朝日」の見出しだ。

原発めぐる細野氏の発言、与野党から根拠問う声
http://www.asahi.com/politics/update/0404/TKY201104040298.html

細野は昼間、放射性物質の放出を止めるには少なくとも数カ月という見通しを示していたが、この記事はそれに対する与野党の反応だ。

僕は、細野がどんな根拠で数ヵ月という甘い見通しを述べているかを批判しているかと思った。実際は逆で、そんなに時間がかかるはずがない、という疑問が出ているという。

そうした楽観的見通しが大勢なので、そして原発地域に住んでいない人が大多数なので、今後も原発を、安全に注意して運転という意見が多いのだろう。しかしドイツ気象庁のサイトを見てそう楽観的でいられるだろうか。

このサイトを紹介したのは「読売」で、以下の記事だ。

日本で公表されない気象庁の放射性物質拡散予測
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110404-OYT1T00603.htm?from=main3

いずれ日本の気象庁でも公開されるだろう。

上記のドイツ気象庁をクリックして、表示される画面の半分くらいのところの左側に、日本を含む周辺の地図3枚がある。そこに放射能を含んだ空気がどう広がっていくかが示されている。日本の地理的狭さを痛感する。これを見て、自分は原発から遠く離れているから大丈夫、電気がないのは困るから、原発は安全に配慮して運転してほしい、などと言っていられるだろうか。今冬だからこの図だが、夏になると北日本に放射能を含んだ空気が広がっていくことになる。少なくも南の風が吹くまで、今の緊張状態は続くのではないかと心配している。

しかし一方で「最悪期」は越えたので、それに応じた対応を求める意見もある。最悪期とはすでにメルトダウは起きて、それを経て今小康状態にある、という見立てだ。タイトルは以下の通りだ。

大前研一:炉心溶融してしまった福島原発の現状と今後
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110404/265766/?top_f1

これは説得力のある見解だ。これからすると今の元々あった冷却系復活のためのあの手この手の悪戦苦闘はばかげているのかもしれない。それは地震で配管に重大なダメージを受けておりその活用は無理で、代替えの冷却系の架設が必要で、それには時間がかかる。

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2011年4月 2日 (土)

秋山宇宙飛行士原発事故避難記

日本最初の宇宙飛行士、秋山豊寛さんは福島県で農民となっている。彼の住まいは原子力発電所から35kmのところだ。地震発生の翌日、「庭に雀も山鳩も姿を見せていない」という。

地震がもたらした「沈黙の春」か、それとも放射線によるものか。彼は「原発崩壊事故避難私記」を『自然と人間』の4月号に書いている。短いが、核時代にどのような覚悟を持って生きるかを端的に、説得力豊に伝えている。

多くの人に読んでもらいたい。

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2011年4月 1日 (金)

東日本大震災

今日、4月1日、の閣議で3月11日の大震災の名称を、東日本大震災、とすることを決めたという。名前なんかどうでもいいから、福島第一原子力発電所の危機的状況を何とかしてもらいたい。東電の手に負えないことは自明だが、政府もお手上げなら、早く助けを呼ぶことだ。

最終的には原子炉を安定した冷温状態にする、ということだが、どのような道筋があり得て、どのやり方がリスクが少ないか、を見極めて、その道筋の選択となるのだろうが、その複数あるだろう道筋について政府には確たる見通しがないようだ。またNHKテレビなどで解説している原子力学者、その多くはこれまで原子力発電は安全として推進してきた人々、にそうした識見があるようには見えない。昨日、3月31日に仏のサルコジ大統領と原子力企業アレバのCEOが来た。今日になって、米軍のABC(核・生物・化学兵器)対応部隊、米海兵隊の専門部隊「CBIRF」(化学生物兵器事態対処部隊)、の派遣が決まり、明日日本に到着するというニュースが伝わっている。

この後は、米仏連合軍により、原子力発電所に特有の技術的側面を仏、放射能汚染全般と全体の指揮を米国、という分担で危機脱出プログラムが展開していくと思われる。この作戦は世界の原子力発電をリードする仏、今後それを成長の柱としたい米、にとって負けられないものだ。つまり、日本と米仏との友情などというものではなく、どこまでも米仏の政治的経済的理由による、必然的作戦だ。それでも、政府・保安院・東電がもたれあい、日に日に状況が悪化していくよりははるかに希望が持てる。これ以上被曝者を増やさないでもらいたい。管首相には一時でも早く、福島の問題を米仏に任せてもらいたい。

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