かつて日米貿易摩擦が激しかったとき、米国の議員が日本問題と言う場合、それは大部分「トヨタ問題」だった。ひたすらコストパフォーマンスのよい車を作り、米国で売りさばいていた。ウリはコストパフォーマンスだけで、哲学は感じられなかった。
ここに来てまた「トヨタ問題」が、今度は日米間ではなく、日本と米国で、そしてもしかしたらその他の国々で、起こりそうだ。僕がかつての「トヨタ問題」という言葉を思い出したのは、その言葉はトヨタの世界常識のなさを揶揄したものだったせいだ。今また、トヨタに世界常識の欠如を感じている。以下は今日、4日の「読売」の見出しと記事の一部だ。ブレーキの改修に手をつけていながら、なぜそれを公表しないのか、なぜ利用者の注意を喚起しないのか? このような対応を欠陥隠しというのではないだろうか。
プリウス、苦情受け先月からブレーキ改修していた…
トヨタ自動車が新型「プリウス」の今年1月の生産分から、ブレーキ不具合への改善策をとっていることが3日、明らかになった。
佐々木真一副社長が同日、直嶋経済産業相に「ブレーキをコンピューターで制御する範囲を変更することで改善できる」「今年から(改善策を)講じている」と報告した。佐々木副社長は同日夜、記者団に対し、昨年末までに生産・販売し、対策を講じていないプリウスについては「1件1件精査して改良を検討する」と述べた。
(以下省略)
(2010年2月4日08時14分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100203-338161/news/20100203-OYT1T00998.htm
アクセルなど機械的な部品の不具合であれば、交換ですむ。しかし電子回路・ソフトウエアの問題だと、手直しすると、新たな問題が出てきて、手に負えないことがよく起きる。JR東海のパンタグラフ→安全問題、トヨタ問題、少し前の名古屋の勢いが今急速に衰えている。
最近のコメント