11月にスーパーコンピュータは不要と、2回書いた。11月23日と25日だ。その意を強くする記事を今日、12日、見つけた。
必要なのは、数百人が使う巨大な機械ではなく、だれでもが、気軽に使える機械なのだ。ひとつは「産経」(共同配信)、もうひとつは「読売」だ。まず「読売」から。
北朝鮮情報、携帯で流出…デノミ・インフルも
【ソウル=竹腰雅彦】北朝鮮で、デノミネーション(通貨単位の切り下げ)実施など内部情報が即時に流出するケースが相次いでおり、この陰に、中国の携帯電話が北朝鮮国内でひそかに普及している事実があることがわかった。
海外に通じる無許可携帯の普及は、金正日(キムジョンイル)体制の情報統制に風穴を開ける可能性を秘めている。
関係筋が11日明らかにしたところによると、韓国の脱北者支援組織など民間団体には、北朝鮮の「通信員」に携帯電話を渡し、組織的に情報収集する動きがある。
昨年11月のデノミ実施は、インターネット新聞「デーリーNK」が、当局から住民へ通告された直後に報じた。
新型インフルエンザによる初の死者や、デノミ後の外貨使用禁止措置もこうした組織を通じて伝えられており、携帯電話が重要な役割を担ったという。
中国が中朝国境近辺に多くの基地局を整備したため、中国規格の携帯が北朝鮮でかなり広範に使えるようだ。
(2010年1月12日03時09分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100111-OYT1T01044.htm?from=main5
ベルリンの壁崩壊を導いた、技術革新と言っても、性能のよいラジオで西側の情報が雪崩を打って入ってきた状況を思い出させる。僕は携帯電話を持っていないが、北朝鮮や中国などのような、情報が制限される国では、有効なのだろう。
次は「産経」から。
筑波大の円周率計算の記録破る 仏技術者が通常機器で
2010.1.11 21:04
フランス公共ラジオによると、筑波大学計算科学研究センターが昨年8月、スーパーコンピューターで樹立した円周率の計算の世界記録が11日までに、パリ在住の情報処理技術者によって破られた。技術者は通常のコンピューターを使い筑波大の記録より約1230億けた多い、2兆7千億けた近くまで計算したと発表した。
新記録を発表したのは、デジタルテレビ関連の仕事をしているファブリス・ベラールさん。通常のコンピューターに5個のハードディスクを増設し、主計算と検証計算を含め131日間かけて2兆6999億9999万けたまで計算した。
ベラールさんは「筑波大の機器は、私のものより計算速度が2千倍近く速い」と認めた上で「これまでスーパーコンピューターが樹立してきた記録を2千ユーロ(約27万円)弱のコンピューターが破った点に意味がある」と語った。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/science/science/100111/scn1001112106009-n1.htm
こうしたことを、僕は楽しみだと思うが、企てる人がいること、そしてその成果をニュースとして報道するフランスの公共ラジオ、それを日本に伝えた共同の記者、とてもセンスの良い持ち主ばかりだと思う。
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