時期尚早?――北京での五輪と韓国マスコミの度量
五輪のたいまつ行列の混乱を見ると、北京での五輪開催は時期尚早だったのかな、と思う。もっともいつが「適切」かの判断は難しいだろうが…。
たいまつ行列のソウルでの混乱について韓国の『中央日報』はその「中国人の聖火リレーにおける暴力と偏狭な民族主義」と題した社説で次のように書いている。
ソウルで行われた北京五輪聖火リレーで、一部中国人のデモ隊が暴力を振るったことはあってはならないことだった。国際社会に国の品格が成熟していない国家
だというイメージを植えつけてしまった。特に駐在国の国民に対する暴力も躊躇せずにはたらいた点は、韓国にとって非常に衝撃的だ。今後“偏狭な民族主義に
かぶれた13億中国”という国家にどう対応しなければならないのかという根源的課題を投げかけてくれた。
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ソウルで行われた北京五輪聖火リレーで、一部中国人のデモ隊が暴力を振るったことはあってはならないことだった。国際社会に国の品格が成熟していない国家
だというイメージを植えつけてしまった。特に駐在国の国民に対する暴力も躊躇せずにはたらいた点は、韓国にとって非常に衝撃的だ。今後“偏狭な民族主義に
かぶれた13億中国”という国家にどう対応しなければならないのかという根源的課題を投げかけてくれた。
中央日報 Joins.com 2008.04.29 07:01:45http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=99361&servcode=100§code=110
中国の人々のこうした振舞いについて、心を痛めている中国人もいるらしい。『朝鮮日報』はそうした人々の声を「中国の学者ら、『偏狭な愛国主義』を公開批判」という記事で伝えている。その一部を紹介する。
「中国の若者の偏狭な愛国主義は政府統制下での一方的な教育が原因だ」
中国の学者らが最近、中国の若者やインターネットユーザーの間で広がっている反西側運動や愛国主義運動、そして中国政府の対応を公開批判した。
28日付香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、山東大学の孫文広教授ら9人の学者はこのほど、インターネット上で実名で声明を公表
した。声明は「学者の立場で、最近理性を失いつつある中国人の『愛国主義感情』に意見を述べるときが来たと感じた。国粋主義的な外国人嫌悪症は中国の発展
を阻害するだけだ」と指摘した。
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学者らは「若い学生のゆがんだ愛国主義は、中国政府が政治学理論と教科書に対する検閲を実施し、一方的な教育が行われているためだ。今回の事態は
中国政府が世論をどれだけ操作しているかを示している」と批判した。最近の愛国主義運動をめぐっては、中国が国営メディアを総動員し、西側批判を繰り広げ
たことがきっかけになったと指摘されている。
朝鮮日報/朝鮮日報JNS 記事入力 : 2008/04/29 10:38:35http://www.chosunonline.com/article/20080429000026
中国社会で、自分の名前を出して批判をする人が出ていることは、中国にまだ希望がある、ということだ。こういう声が大きくなり、いろいろな意見が交わされて社会としての成熟が進むのだろう。日本はまだまだだと感じている。
むしろ、こうした記事、声を伝える韓国マスコミの度量、成熟度を感じる。
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