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2007年7月25日 (水)

役所は安倍退陣以後を見ている?

温暖化対策の安倍公約は選挙前から反故になったようだ。

「読売」の記事の一部を引用する。

京都議定書見直しで素案、「排出権取引」などは結論先送り
素案は、大きな排出削減につながる「排出権取引」と「環境税」の導入について結論を先送りしており、一部委員から「現行対策の延長でしかなく危機感がない」との指摘もあった。
 京都議定書に基づき、日本は来年から2012年までの温室効果ガス排出量を、1990年比で6パーセント削減しなくてはならないが、05年度の排出量は逆に7・8パーセント増えていた。
(2007年7月25日20時10分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070725i412.htm

今日、25日にまとまった政府の素案は、やる気のないものだ。一月ほど前、6月のサミットを受けて、安倍首相は温暖化対策に積極的に取り組むと力んでいた。その例が以下だ。

平成19年6月20日、安倍総理は環境省、外務省、経済産業省主催の「地球温暖化問題に係るハイリゲンダム・サミット報告会」に出席し、サミットで日本が提案した長期戦略「美しい星50」や、それを軸にした各国首脳との議論と合意に至るまでの経緯を説明するとともに、来年の北海道洞爺湖サミットへの思いなどについて演説しました。
http://www.kantei.go.jp/jp/abephoto/2007/06/20g8houkoku.html

首相の思いに応えない役所。すでに安倍退陣を見透かし、手を抜いているのだろうか?

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2007年7月19日 (木)

柏崎刈羽原発は生き残るだろう―――経済的理由で

生き残る理由は、国の面子が一番大きな理由かもしれない…。

17日に書いたように、柏崎刈羽原発は本来作れないところに建設された。今回の地震の被害、その予想外の広がりと、継続(今も微量ながら放射性物質が漏れている、とNHKの夜7時のニュースは伝えていた)からして当然廃止すべきものだろう。

しかし実際にはそうはならないだろう。それは廃止に伴う費用が、これまでこれだけの超巨大原発の廃止・撤去は前例がないが、莫大な費用がかかることは十分に予想できる。放射能で汚染された資材を環境に影響を与えないように封じ込める必要があり、その費用は、建設の費用より高くなるのではないか、と想像される。

こうしたことを予想してか、この原発の設置者、東京電力の株が下がり続けている。以下は「毎日新聞」の記事だ。

東京電力株:大幅下落
 19日の東京株式市場で、東京電力株は大幅下落し、終値は前日終値比200円安の3400円と3営業日連続で年初来安値を更新した。新潟県中越沖地震で同社の柏崎刈羽原子力発電所でトラブルが多発し、柏崎市から緊急使用停止命令を受けたことが嫌気され、機関投資家を中心に売り注文が相次いだ。【小倉祥徳】(毎日新聞 2007年7月19日 19時02分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070720k0000m020032000c.html

廃止・撤去に巨費がかかるのは、遺棄化学兵器の処理に莫大な費用がかかりそうなことに似ている。遺棄兵器の処理費用は、それら兵器の製造費用をはるかに上回りそうな見込みだ。

東京電力、そしてそのバックにいる経済産業省は廃止・撤去の道はとらないだろう。より負担の少ない「耐震補強」でお茶を濁すことになるだろう。しかしこの地域では2004年10月に中越地震が起き、2年9ヵ月後の今回の大地震だ。また能登半島の大地震は今年の3月だった。

今となっては、すでに述べたことだが、こうした地域に原発を建設した選択が間違っていたことが分かる。この責任は、柏崎刈羽原発を認可できるような条件を定め、それに基づいて認可した国の責任が大である。

柏崎刈羽原発を廃止すれば、それは国の責任を認めたことになり、廃止の動きは燎原の炎のように拡がっていくだろう。

電力会社が、経済産業省が、そして御用科学者がどんな「屁理屈」を用意するか今から注視しておこう。こうした場合、自分が御用科学者になったつもりで、屁理屈をいろいろこねておくと、実際に屁理屈が出てきたときに、それを論破するのに役に立つかもしれない。これは常に相手の立場でものを考えよう、ということでもある。

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2007年7月17日 (火)

立地を間違えた原発?

海の日、16日、新潟で大きな地震があった。震源地は柏崎の近くだった。そこには東京電力最大の原子力発電所がある。

NHKは11時前ころから原発施設から立ち上る黒煙、その下の炎を上空から撮影した伝えていた。

16日夜になり、放射能を持つ冷却水が海に放出されていたことが明らかにされた。

15日夜(米国時間)の、日本の地震を伝えるNBCナイトリーニュースはこの原発の問題を中心に取り上げていた。NHKの映像も使われていた。

共同通信はこの事故について次のように伝えている。

原発の耐震設計超える揺れ  柏崎刈羽、緊急停止
 東京電力は16日、柏崎刈羽原発(沸騰水型、同県柏崎市・刈羽村)で検知した新潟県中越沖地震の揺れが、機器や施設の安全性が保たれる耐震設計の基準である「限界地震」を大幅に上回り、原子炉が緊急停止、微量の放射性物質を含む水が海に放出されたと発表した。甘利明経済産業相は17日未明、東電の勝俣恒久社長を呼び、安全を確保するまで同原発を運転しないよう指示した。
 緊急停止したのは全7基のうち停止中の炉を除く4基。3号機ではタービン建屋外にある変圧器で火災が発生した。経済産業省原子力安全・保安院によると、地震に伴い原発で火災が起きたのは国内で初めて。地震発生後、間もなく火災が確認されたが、119番が掛かりにくく、消防隊の到着も遅れて鎮火は正午すぎとなった。
 6号機では微量の放射性物質を含む水漏れが見つかり、1・2立方メートルが海に放出されたことが判明。使用済み核燃料貯蔵プールの水とみられるが、国の安全基準を下回るレベルで、東電は環境に影響はないとしている。
 3号機原子炉建屋では圧力を逃がすパネルが外れ、余震後には1、2、3号機で使用済み燃料プールの水位が低下した。
2007/07/17 01:43  【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200707/CN2007071601000841.html

原発を計画・設置した際の想定を上回る地震だった。その一番の原因は、陸地の活断層には最低限の注意を払ったが(つまり原発建設に支障が出ないような注意)、海中の活断層には注意を払わなかった、あえて言えば、無視したことだったようだ。

立地周辺の活断層を陸地だけでなく、海中も含め、きちんと評価していたら、あの地に原発を建設することはありえなかったのではないだろうか。

原発の経済性その他いろいろ評価されているが、地震国日本で原発を建設することができる土地というのはあるのだろうか、そんな疑問がわいてくる。

柏崎刈羽原発について、今回の想定外の地震を受けて総点検が始まる。それは原発の停止を意味する。それによって夏場の電力供給がどうなる、ということが議論されているが、問題は「日本に原発」を作ることの是非ではないのだろうか。

根本的に考える必要がある。

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2007年7月12日 (木)

アカデミック・ハザード

『アカデミック・ハザード――象牙の塔殺人事件』(海鳴社)を読んだ。

面白かった。夕方の数時間で一気に読んでしまった。

日本の大学で、理系の学問・勉強・研究をやりたいと考えている学生には必読の本だと思う。誇張されている、小説だと思わず、日本の大学は多かれ少なかれこんな社会なのだと思ったほうが良いと思う。

その上でそれを打破しよう、自分の知的好奇心で闇を切り裂こう、と考える若者に理系の研究者になってもらいたいと願っている。

その意味でこの本は、理系の学生の必読書だと思う。夏休みにぜひ読んでもらいたい。

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2007年7月 2日 (月)

本音は?

首相は防衛相の原爆発言について、次のように述べたという(「朝日」)。

 野党だけでなく、与党からも厳しい声が出ていることに、首相は2日夜、記者団に「選挙を控え大変厳しい戦いを 戦っているわけだから、そういう気持ちになるのは当然だろう。久間大臣にはこういう声もしっかりと受け止めて、発言には慎重になっていただかなければいけ ない」と語った。2007年07月02日23時05分
http://www.asahi.com/politics/update/0702/TKY200707020289.html

この通りの発言だとすれば、本音は?と聞きたくなる。短絡的には、選挙だから発言は慎重に、つまり物議をかもしそうな場合は 本年は言うな、と取れる。

今回の防衛相発言は、選挙とは無関係に、許しがたい発言なのだ。そのへんの認識はどうなのだろう。

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2007年7月 1日 (日)

長崎原爆――2発目の原爆の意味

長崎原爆の意味として重要なことはなんだろう。

ひとつはそれが当時米国が保有していた2発の原爆のうちの2発目だったこと。その結果、長崎に原爆を投下した後、米国には原爆がなかったこと。そして何より重要なのは、それがプルトニウムを原料にした原爆だったという点だ。

8月6日に広島に落とされた原爆はウラニウムが原料だった。広島原爆はその外見的形状からlittle boy(少年)と呼ばれた。他方、長崎原爆はfat man(太った男)だった。広島原爆は核分裂を起こすウラニウムを二つに分け、投下と同時に合体し、核分裂の連鎖反応を起こさせる方式だった。

長崎原爆の場合、プルトニウムはウラニウムと比べるとはるかに少量で核分裂の連鎖反応を起こすため、プルトニウムを細かく多数に分ける必要があった。そのため長崎原爆は球状にプルトニウムを配置していた。そして投下とともに、爆縮(爆発の反対)を起こし、分けられていたプルトニウムを一つにまとめ、一気に核分裂の連鎖反応を起こさせる仕組みだった。

ウラニウムは天然に存在するが、核分裂を起こすものは極わずかしか含まれていない。そのため濃縮ということが必要となる。プルトニウムは天然には存在しないが、核分裂を起こさないウラニウムから作り出すことができる。

原爆を製造するという観点からは、ウラニウムよりプルトニウムのほうが効率的だった。そのためその後各国で原子爆弾が開発されるが、技術的に一定レベルに達している場合、それらはプルトニウム原爆だった。

こう見てくると、長崎原爆の意味はプルトニウム原爆が飛行機から投下し、本当に核分裂を起こすか、起こした場合どの程度の被害を人や建物に与えることができるかを見るため。そして多分後遺症や町の復興はどうなるか、ということを見るためだった、と思えてくる。

こうした「意図」を隠蔽することも、原子爆弾が戦争終結を早めたという「神話」が考え出された目的だっただろう。

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