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2007年2月26日 (月)

存在しないことの証明ーー続き

まだミュンヘンにいる。今日も時々雨が降っている。通常なら雪なのかしら?

昨日、博物館の帰り、駅のキオスクで水とジュースを買ったが、袋はくれなかった。必要な人には白い何の文字も入っていないプラスチックバッグを有料で分けているようだった。

今日は環境問題ではなく、先日、2月8日の不在証明の続き。

以下は、2月19日の「産経」の見出しと記事の一部だ。

外相、米下院の慰安婦決議案に「事実でない」

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 麻生太郎外相は19日午前の衆院予算委員会で、米下院に提出された慰安婦問題をめぐる対日非難決議案にある 「日本軍による強制的な性奴隷化」といった記述について、「客観的な事実にまったく基づいていない。はなはだ遺憾だ」と述べ、決議案の事実誤認を指摘し た。一方、塩崎恭久官房長官は、慰安婦募集で日本の官憲の強制性を認めた平成5年の河野洋平官房長官談話については「政府としては受け継ぐ」と述べた。自 民党の稲田朋美氏の質問に答えた。
… 
 慰安婦問題については、安倍晋三首相が昨年10月の国会答弁で、河野談話の踏襲を表明したものの、「狭義の強制性を裏付けるものは出てきていない」と述べ、慰安婦募集の強制性は否定している。(2007/02/19 12:17)http://www.sankei.co.jp/seiji/seikyoku/070219/skk070219001.htm

現在の外務大臣は「事実でない」と主張し、官房長官は1993年の「慰安婦募集で日本の官憲の強制性を認めた」 政府見解を受け継ぐと発言し、昨年、2006年10月の国会では首相がその立場の継承を表明している。

この記事を書いた記者の意図はどこにあるのだろう?政府が「バラバラ」で思考・判断能力はありませんよ、と警鐘を鳴らしているのだろうか?

まあそういう大問題は措くとして、僕が思うのは外務大臣の主張、「事実でない」の立証は極めて困難だろう、ということだ。ましてや93年の官房長官談話を考えるとそれは不可能に近いのではあるまいか、と思う。これは水滴が何粒もおちているのに、雨は降っていない、と主張するようなものだ。

やっていないこと、の立証は難しく、苦しい仕事となるだろう。しかし裁判で無罪を勝ち取るのは本来の法治国家では、「疑わしきは罰せず」の原則があり、そう難しくないはずだ。しかし今年になって明らかになった、何の犯罪行為も行っていないまま富山県で強姦容疑で服役してしまった事件を知るとそうもいかないかと思う。しかし2月23日の選挙違反を巡る鹿児島地裁判決を見るとまだ大丈夫、かとも思う。

そうした国民の行為についての主張に関しては裁判所がある。しかし外務大臣が主張したような問題は裁判所が片をつけてくれる問題ではなく、政府が自分の手で決着をつける必要がある。それを日本政府に期待できのだろうか。期待せざるをえない、さもないと責任ある人がそれぞれ別のことを自分勝手に発言する、バラバラな国、という評価を一層高めることになるのだから。

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2007年2月25日 (日)

袋持参で買物へ

24日土曜日午後、ミュンヘンに到着して、ホテルの近くのスーパーに水を買いに行った。袋はくれない。自分のを持って行ったり、店の空き箱をもらってそれに詰めて持ち帰っている。先月の、オランダのライデンでもそうだった。ライデンはスーパーだけではなく、駅のキオスクまで、袋をくれなかった。ここではどうだろう。

ロンドンでは、わずかな買物なのに、プラスチックの袋に入れてくれた。それが今僕の洗濯物入れとし活用されている。

日本がライデン並みになるのは後どの位かかるだろう。

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2007年2月22日 (木)

ロンドンに来ている

ロンドンの時間で、21日午後3時過ぎにヒースロー空港に着いた。

全日空機はロンドンの都心上空を多分、3千メートル以下の低空で飛んだ。そのためテームズ川、ビッグベンなどがはっきり見えた。先月、1月27日にアムステルダムから乗った英国航空機は都心上空を飛ばなかったような気がする。今日は風向きの都合で都心上空を飛んだのだろうか?きれいな眺めだった。

明日は科学博物館に行こうと思っている。

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2007年2月19日 (月)

「食」の不安

いくらなんでも「『食べても安全』 食品に自治体がお墨付き」という見出しはないだろう。

この見出しは「産経」の記事のそれだ。(2007/02/15 10:12)
http://www.sankei.co.jp/seikatsu/shoku/070215/shk070215000.htm

これではお墨付き以外の食品は「危険」ということにならないか?

さらに僕のような役所不信の人間にとっては、自治体が「安全」といってもはいそうですかと素直に受け入れることもない。

何十年も前、農家の方と話をしていて、毎年の作付けて、役所の指導と反対のことをやると大体うまくいく、という裏話をうかがったことがある。

この記事でそんな古い話を思い出した。

食のような身近な問題は自分で考え、自分で確認するべきなのではないのだろうか。

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2007年2月 8日 (木)

不在証明

存在しないことを証明するのは大変だ。

雨が降っていることを証明するには、一滴の雨で可能だが、雨が降っていないことの証明はそう簡単ではない。これは誰もが経験することだ。

これは仕事(研究)の面でも言えることだ。僕は人体実験で悪名の高い「満州第731部隊(石井部隊)」の研究をやっているが、20年以上気になって所在を追ってきた資料がある。このたび、先月、1月18日に書いたことだが、日本の戦争犯罪関係文書のリストが米国で公表された。

米国では、1990年代に入り、97年に刊行されたI・チャンの『レイプオブ南京』の影響もあり、日本の戦争犯罪に関心が高まり、1937年の南京での虐殺や「従軍慰安婦」と呼ばれた方々の文書の収集も試みたが、こちらはあまり成果がなかったようだ。それはこうした問題について当時関心が薄かったことが第一の理由のようだ。第二には1937年当時は日本とはそれほど険悪な関係ではなく、諜報活動も非常に低い水準だった。また後者については、それほどの大規模なものとも思わず、また被害者が東洋人であったことから戦争犯罪資料の収集が不十分だったようだ。今回のリストに付けられている解説では、白人のそうした被害については、あるかないかを調べ、あれば資料の収集を行っているという。

こうした資料の状況なので、今回その「索引」が整備された資料の多くは、あるいは目玉は731部隊関係ということになった。その結果として、従来探していた資料は解説では触れらているが、「索引」にはないことが分かった。

探していた資料というのは、部隊の医学者19人が書いた60ページの英文の報告書であり、奉天の捕虜収容所での米国人捕虜に対する人体実験を立証する文書である。今やどうもこれらは存在しない、あるいは所在不明となっている、と結論せざるを得ないようだ。

戦時中の文書は、日本ではまだきちんとした整理がなされていない。そのため本来あるべき資料が、この可能性は高いが敗戦のドサクサで焼却されたのか、それとも政府機関によって隠匿されているのかが分からない状況だ。

日本で戦争中の特定の文書の非存在を断言できるほどに文書の整理が行なわれるのはいつのことだろう。

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2007年2月 2日 (金)

女性機械論――爺さんの本音?

「毎日」に次の記事があった。男の、特に年配の男、爺さん、の本音が透けて見える記事だ。

柳沢発言問題:「例えの仕方悪かった」都知事が同情的見方
 柳沢伯夫厚生労働相の「女性は産む機械」との発言について、東京都の石原慎太郎知事は2日の定例会見で「前後の文章を読むと、話しながら『ごめんなさい』とか言っている。例えの仕方が悪かった」と柳沢厚労相に同情的な見方を示した。
毎日新聞 2007年2月2日 20時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20070203k0000m010066000c.html

例えの仕方が悪いのではなく、基本的な発想がアナクロニズムなのだ。

先週はオランダに行っていたが、その会議で出会った日本人女性は生後半年くらいの子供を連れていた。彼女とその連れ合いの間には子供が3人いるという。一番年長の子は会議の期間中、ドイツで留守を守る連れ合いが面倒を見ているという。

子供を持つのは、産むのは女性の仕事ではなく、連れ合いも一緒の偉大な「共同事業」なのだ。共に協力して子供を作り、育てるのだ。

柳沢の発想、それを同情的に見る石原の考え方、子供を産み育てるのは「女」の役目、が背後にあるから、「産む機械」などというすさまじい発言が飛び出すのだ。

柳沢の発言は、女性を侮辱しているだけでなく、共に子供もうけ、育てている男性をも侮辱している。その意味で僕は腹を立てている。

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