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2006年12月22日 (金)

調査の性質上私文書―――行政指導

天皇機関説への文部省の介入を如実に示す文書の続きだ。

もうひとつのブログhttp://tsunesan.blogspot.com/2006/12/blog-post_21.htmlにそれら文書の写真を載せている。そのページの最後の部分に「各大学に於ける憲法学説調査に関する文書」の表紙の次のページの写真を付けておいた。

そこには「『各大学に於ける憲法学説調査に関する文書』(調査の性質上私文書)」と、文部省の用箋に書かれている。これは官庁による「行政指導」と言う名目の「命令」遂行の実態を赤裸々に示している。

これは決して明るみに出してはならない調査報告書だったのだろう。それが日本の敗戦で米国に押収され、現在米国議会図書館で公開されている。しかし、今回共同通信が報道するまで、広く知られることはなかった。

以下に「各大学…」にざっと目を通した時に作ったメモを載せておく。

「学説に殉ずるは本懐」中島 関西学院大学教授 は言いながら、実際は改説または排説

「著書発売禁止等の場合は在職の不可」の結果、発禁は美濃部の本のみ。

東大の宮沢「教授は従来の講義案を変更し訓令の趣旨に副う様務めたり従て本年四月以降の憲法講義は右の改めたる講義案に依り講義し居る状況なり」

本文書の表紙には秘の角印が捺されているが、その中に「憲法関係著書にして発禁、改訂、絶版となりたるもの」という極秘の角印があるページがある。そこにあげられている17人のうち、美濃部を除く16人が教鞭をとっていたが、解職の憂き目をみたのは一人だけだった。関西の3大学で非常勤講師をしていた森口繁治(元京大教授、滝川事件で辞職)だけが解職。

17
人の研究者のうち(憲法学者) 教鞭をとっていた16人のうち、15人が生き延びた。

発売禁止が美濃部の3

改訂が美濃部の2

それ以外の33点が絶版(文部省、大学、教員の馴れ合いの構造?)


官庁、文部省の行政指導は、決して出血の惨事を生み出さない。互いにほどほどのところで矛を収め、一歩一歩後退していく?それによって大学教員は生き延び、役所は自らの威信を示す?

僕だったらどうするだろう?といつも考える。どうするかは分からないが、転向するくらいなら、せめて「沈黙」で対応できないものだろうか?

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2006年12月21日 (木)

天皇機関説

その文書に出会ったのは、2006年11月 17日、金曜日だった。場所は米国議会図書館の法律図書館だった。以下がその文書の書誌情報だ。

Kaku daigaku ni okeru Kenpō gakusetsu chōsa ni kansuru bunsho.

  
LC Control Number:     82243605
Type of Material: Book (Print, Microform, Electronic, etc.)
Main Title: Kaku daigaku ni okeru Kenpō gakusetsu chōsa ni kansuru bunsho.
各 大學 ニ 於ケル 憲法 學說 調查 ニ 関スル 文書.
Published/Created: [Tokyo] : Monbushō Shisōkyoku, [1935]
[Tokyo] : 文部省 思想局, [1935]
Description: 1 v. ; 28 cm.

CALL NUMBER: LAW JPN C 1591 1935 EAST
Copy 1
-- Request in: Reference - Law Library Reading Room (Madison, LM201)
-- Status: Not Charged

この時にもう一冊これに関連する文書を見せられた。その書誌情報は次の通りだ。最初が元々の冊子体のもの、次ぎはロールフィルムの書誌情報だ。「各大学…」の方はマイクロフィルムになっていないようだ。

Minobe Hakushi no chosho ni kansuru tōben shiryō.

  
LC Control Number: unk85047942
Type of Material: Book (Print, Microform, Electronic, etc.)
Personal Name: Minobe, Tatsukichi, 1873-1948. [from old catalog]
Main Title: Minobe Hakushi no chosho ni kansuru tōben shiryō.
Published/Created: [Tokyo, Naimusho? 19 ]
Description: 89 leaves. 28 cm.

CALL NUMBER: LAW <Japan LL-10109 LLFE Ref>
Copy 1
-- Request in: Law Library Reading Room (Madison, LM201)
-- Status: Not Charged


Minobe Hakushi no chosho ni kansuru tōben shiryō.

  
LC Control Number: unk85047954
Type of Material: Book (Print, Microform, Electronic, etc.)
Personal Name: Minobe, Tatsukichi, 1873-1948. [from old catalog]
Main Title: Minobe Hakushi no chosho ni kansuru tōben shiryō.
Published/Created: [Tokyo, Naimusho? 19 ]
Description: 89 leaves, 1 reel. 28 cm.

CALL NUMBER: LAW <Japan Microfilm Law LL-10109 LLFE>
Copy 1
-- Request in: Law Library Reading Room (Madison, LM201)
-- Status: Not Charged

前者については、先日、12月16日に「共同通信」が配信した。その冒頭部分は以下の通りだ。

1935年「天皇機関説変えよ」

学者への弾圧克明に

 【ワシントン=共同】日本で軍部ファシズムの台頭につながった1935年の「天皇機関説事件」をめぐり、文部省思想局 (当時、以下同)が憲法学者ら19人を「速急の処置が必要」など3段階に分類、機関説の修正に応じない場合は講義を担当させないなどの報復措置を警告し、 学説の変更を強要していたことが16日、分かった。思想局の秘密文書が米議会図書館に保管されていた。

 事件から70年余。政府が学者を個別に攻撃、転向を迫る徹底した思想統制の過程が個人名や具体例とともに判明した。複数の専門家は、文部省による具体的な圧力の実態を記した文書が確認されたのは初めてだとしている。

 文書は、米国が終戦直後に日本で接収した「各大学における憲法学説調査に関する文書」で、計約450ページ。

 それによると、思想局は天皇機関説排撃の機運が35年前半に高まったことを受けて憲法学説を本格調査。機関説を支持する度合いに応じ、19人の学者を「速急の処置が必要」「厳重な注意が必要」「注意を与えることが必要」の3段階に分類した。

 その上で著書の改訂や絶版を求め、従わない場合は(1)著書発禁や憲法講義の担当解任(2)講義休講-などの報復措置を取ることを決定した。

 (1)には機関説事件に絡んで貴族院議員を辞職する美濃部達吉・東京帝大名誉教授の弟子、宮沢俊義・同大教授らが(2)には佐々木惣一・立命館大教授らが該当。対象となった学者は講義内容を変更、著書30冊以上が絶版に追い込まれた。

 文書によると、一部の学者は「拙著憲法原論は根本的に修正しつつ講義を進めている」などとした上申書を提出した。

 美濃部氏が唱えた天皇機関説は「国の統治権の主体は国家にあり、天皇は国家を代表する機関」とする学説。当初は政府も 容認していたが、35年2月に一部議員が議会で攻撃。右翼団体が排撃運動を進めた。美濃部氏が19人の中に入っていないのは、既に著書発禁などの処分対象 になっていたためとみられる。

 天皇機関説事件の経緯に詳しい評論家の立花隆氏の話

 ほとんどの憲法学者が美濃部達吉の説に従って 教えていたのに、(天皇機関説事件の後は)一斉にくるっと転向してしまう。いくら社会の空気が変化し、時代の流れががらっと変わったとはいえ、もうちょっ と抵抗のしようがなかったのかと思っていたが、転向の理由がこの資料でやっと分かった。大学の事務当局まで使ってものすごいプレッシャーを大学教員にかけ ており、裏で文部省がいかに強力に動いたのかがよく分かる。

  【天皇機関説】  大日本帝国憲法下での天皇は、法人としての国家の最高機関であって主権者ではないとする、憲法学 者美濃部達吉らの学説。議会が天皇の意思を拘束できるとするこの考え方は「現人神(あらひとがみ)」である天皇の統帥権の下で行動する軍部には受け入れら れず、貴族院本会議で1935年2月、陸軍出身の菊池武夫が天皇機関説を大々的に批判したことで政治問題化。美濃部は貴族院議員辞任に追い込まれたほか主 著は発禁処分となった。政府は同年8月3日と10月15日に天皇機関説を排斥する「国体明徴声明」を出し、天皇の統治権は絶対とする考え方が国民に強制さ れるようになった。

http://www.kenmin-fukui.co.jp/00/kok/20061217/mng_____kok_____000.shtml

この二つの文書の表紙などは別のブログに載せておく。
http://tsunesan.blogspot.com/

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2006年12月14日 (木)

権力による情報操作――小泉とヒトラー

安倍首相、タウンミーティング「やらせ」問題で陳謝

これは「産経」の見出しだ。
http://www.sankei.co.jp/seiji/seisaku/061213/ssk061213004.htm
(2006/12/13 11:49)

記事は次のように書いている。

「タウンミーティングは政策を国民に率直に説明し、意見を承る双方向の重要な場だ。大変遺憾に思うところだ」と陳謝した。首相は問題点として、あらかじめ 質問内容を指定していたこと▽公募ではなく参加を依頼したケースがあったこと▽謝礼金を払ったケースがあったこと▽運営費に無駄遣いがあったこと-を挙げ た。

安倍首相の発言をパラフレーズすれば、「タウンミーティングは国民の税金を使い、政府の政策を国民に一方的に押し付ける重要な、あるいはおいしい場だ」となるだろう。全く冗談じゃないよ、こんな情報操作をやっておいて給料返納で済ませるなんてふざけている。

政権による情報操作はどの国も多かれ少なかれやってはいるだろうが、今回の情報操作は、当時の小泉の強権的姿勢からどうしてもヒトラーによる情報操作を思い出してしまう。

ヒトラーはドイツの歴史上、多分異分子だった。郵政除名議員の復党から見ると,小泉も自民党では異分子だったようだ。

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2006年12月 7日 (木)

日本には道路(歩道)がまだまだ必要だ

今の総理、安倍、は車に関係する税金を道路建設以外に使いたいと言っている。とんでもないことだ。

彼はどの程度自分の足であるいたことがあるのだろうか(これは皮肉ではない)?

ガソリンや車の税金は道路作りに使うべきだ。現在の日本の道路で、古くからある道を車が通るのが変なのだ。それらの道は「人が歩く」ことを想定したいた道路だ。車の走行は考えていないはずだ。そこを車(狂魔)がとおるから問題が起きるのだ。

日本は道路が整備されていない、と思う。最低限、これまである道路を人・車椅子・乳母車が移動する道路として確立するべきだ。次いで自転車が使う道路、それに狂魔(車)が突っ走る道路を用意するべきだ。

日本の道路の総延長キロ数は諸外国と比べて遜色はないだろうが、それは通常自分の足で歩かない人の評価だ。自分の足で歩いて見ると、狂魔が恐ろしくて歩けない道路の多いことに気付くだろう。さらに無灯火で迫ってくる走る凶器、自転車が歩道を突進してくる。

自動車関連の税金の使い道はいくらでもある。歩道を狂魔が走るから事故が起きる、歩道を狂魔が走らなくてすむように、自転車が歩道を走らなくてすむように、狂魔の道・自転車の道を狂魔に関連する税金で整備することを考えるべきだ。

まあこれは、僕たち歩行者や何の権力もない人には多分メリットはあるが、土建屋さんや権力者にはメリットも、必要性も感じられないことかもしれない。

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